6月27日の(一社)大阪府学校歯科医会第9回定時総会および同日開催されました理事会におきまして、
会長に選出されました上田直克です。
歴史ある大阪府学校歯科医会会長職に就くにあたりまして、その責任の重さに身の引き締まる思いであります。
口腔の健康が全身の健康の増進、ひいては健康寿命の延伸につながることから、乳幼児、学童期からはじまり、
高齢期まで、生涯を通じた口腔健康管理は不可欠です。その中でも最も大切な時期が、
子供たちが自立的な健康観を育み、生涯にわたり“生き抜く力”を獲得する学童期であり、学校歯科保健教育であると考えております。
そこで、私たち新執行部は、“結ぶ”という言葉をキーワードに、これからの会務に取り組んで参りたいと考えております。
*乳幼児期と成人期、高齢期を結ぶ
学齢期は、乳幼児期に家庭で培われたまだ他律的と言える生活習慣を「子供自身が生きる力を育み生涯を通じて自分の健康は自分で守る」
という自律的な健康づくりに昇華させていく大切な時期であります。学齢期で習得したブラッシング習慣や食生活、
口腔機能が、成人期、高齢期の健康につながっていくように、縦割りのライフステージ別の介入ではなく、
生涯を通じて健康に関わっていくライフコースアプローチという概念から、学校保健活動に取り組んで参りたいと考えます。
*学校とかかりつけ歯科医、家庭・地域を結ぶ
複雑・多様化する子供たちの健康課題の解決のためには、学校・学校歯科医とかかりつけ歯科医、
そして家庭・地域社会が連携を深めることが重要であると考えます。
学校におけるICTが進む中、健康診断においても健康調査票の活用や健康診断結果の継続的に蓄積されたデータの解析・利用などにICT化を推進し、
学校とかかりつけ歯科医、家庭が連携するシステムの構築を図りたいと思います。
また、口腔機能発育不全症について、学校の現場での口腔機能検査の実施やかかりつけ歯科医における継続した指導など、
より具体的な取り組みについて研究を進めてまいりたいと考えます。口腔外傷の予防についても安全教育を推進して参りたいと考えております。
*コロナ感染症以前とコロナ感染症拡大後の学校生活を結ぶ
新型コロナウイルス感染症が長期化する中、コロナ以前と全く同じ生活に戻ることはないと思われます。
食育を含め、学校での歯みがき、うがいなどの口腔ケアを取り入れた基本的な感染予防対策を講じた「新しい生活様式」の確立について、
「生きる力を育む歯・口の健康づくり推進事業」などを通じて情報発信を行って参りたいと考えます。
これらの実行には会員の先生方をはじめ関係各位のお力添えが不可欠であります。
どうか、これからも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
一般社団法人 大阪府学校歯科医会
会長 上田直克