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府学歯レポート

CO(要観察)とCO(要精検)について

「CO(要精検)」の見解の整理について(日学歯)
平成22年3月24日 第12回理事会にて

 平成18年度に本会から発行の「学校歯科医の活動指針<改訂版>」の中に「CO(要精検)」という見解が記載されました。
 その経緯は、昨今のWHOの検診基準が世界的に変化してきたことに伴い、平成14年に「学校における歯科健康診断は主に視診で行う」こととし、「COは主に視診で「う窩」は認められないもの」と表記を変更しました。これによって特に隣接面で「う窩」は認められないが変色していたり、むし歯の可能性があると疑われる歯は、定義上は「CO」として取扱いますが、そのまま次回の歯科健康診断まで放置できないものについては「CO(要精検)」として、学校歯科医所見欄に記載し、「健康診断後のお知らせ」に明記して受診を勧める、としたことによるもので、COでも要精密検査の場合があることを明確にしたものです。
 この考え方をうけて学校歯科医の活動指針改訂版では、『「CO要精検」(地域によっては補助記号"CO-S"を使用)と記入する。』と記載いたしました。
 この表記について『う歯のスクリーニングはこれまで通り「健全・CO・C」の3段階であるにもかかわらず、CO-Sが設けられCOが細分化され、健康診断におけるう蝕の基準が4段階になったように誤解する学校歯科医の方が散見されます。
 よって社団法人日本学校歯科医会は混乱を避けるために委員会および理事会でCOについて検討整理を行い、平成22年3月理事会で以下のことを確認致しました。

  1. 平成14年2月に理事会決定し全国へ通知した「う歯(C)及び要観察歯(CO)の検出基準」(下記参照)を何ら変更したものではなく、これを遵守すること。
  2. う歯のスクリーニング診査の基準は従前どおり3段階(健全・CO・C)とする。ただし、特に隣接面などに視診で明らかな「う窩」が認められないが、そのまま放置できないと考えられる場合には事後措置としての対応として学校歯科医所見欄に部位名と「要精検」と記載すること。
  3. COでも要精検である旨を養護教諭に連絡し、連携のもと、「健康診断後のお知らせ」において児童生徒に「受診のお勧め」をすること。
1. う歯(C)の出基準
う歯(C):
  1. 咬合面または頬面、舌面の小窩裂溝において、視診にて歯質にう蝕性病変と思われる実質欠損(う窩)が認められるもの。
  2. 隣接面では、明らかな実質欠損(う窩)を認めた場合にう蝕とする。
  3. 平滑面においては、白斑、褐色斑、変色着色などの所見があっても、歯質に実質欠損が認められない場合にはう蝕とはしない。
なお、診査の時点で明らかにう蝕と判定できない場合は、次に示す要観察歯とする。

2.要観察歯(CO)の検出基準
要観察歯(CO): 主として視診にてう窩は認められないが、う蝕の初期症状(病変を疑わしめる所見を有するもの。
このような歯は経過観察を要するものとして、要観察歯(questionable caries under observation)とし、略記号のCO(シーオー)を用いる。
具体的には、次のものが該当する。
  1. 小窩裂溝において、エナメル質の実質欠損が認められないが、褐色窩溝等が認められるもの。
  2. 平滑面において、脱灰を疑わしめる白濁や褐色斑等が認められるが、エナメル質の実質欠損(う窩)の確認が明らかでないもの。
  3. 精密検査を要するう蝕様病変のあるもの(特に隣接面)。

日学歯ホームページより抜粋

 一般的に健康診断を受けると、要再検はもう一度同じ検査を繰り返し行うこと。さらに病気の疑いがある場合は要精検になり、病気を確定するためのより正確な検査が必要という意味。要観察は要再検に近いものであるが、もう少し期間が長く、次の定期検診まで置いておいてもよい。要治療の場合は、明らかに病気の診断がついており、すぐ治療する必要があることを示す。
 そうすれば、当然「むし歯」と言う病気に対しても同様の判断基準があってよいことになる。まあ確かに、一人にある歯の数は多い。大変煩雑な気がするわけだが、日学歯が通達を出した以上、われわれとしては現場が混乱し間違わないように、わかりやすい方法を検討、決定して実施していく必要がある。そのためには、管轄の教育委員会と打ち合わせ、あるいは養護教諭部会と打ち合わせをしていただき細部を詰めていただきたい。
 さる6月25日の府学歯第1回団体長会で出席の団体長に以下の文面で即日アンケートを取らせていただき、ご意見をお聞かせていただいた。全35団体のうち、30名の団体長よりご返答があった。

CO(要観察)とCO(要精検)について

1、 COの中でも、例えば隣接面カリエスで視診でウ窩が確認できないが、むし歯がありそうだと判断した場合、CO(要精検)として学校歯科医所見欄に部位とともに記載し「健康診断のお知らせ」(治療勧告書)が出ます。
このことは、ご存知でしたか?
知っていた         知らなかった

2、 ご存知の場合、貴団体ではどのように取り扱っておられるでしょう?
    例えば、「従来どおりのCOの判定のみしかしていなかった」
        「学校の養護の先生方と協議中」

3、 この件でご意見・ご質問があればお聞かせください

2011年6月25日

 新たに本年から団体長の任に就いた先生方が多かったのですが、返答のあった30団体中7団体の先生が「CO(要精検)を知らなかった」と答えられている。
 すでに検診に取り入れて治療のお知らせを出しているのは5団体にとどまるものの、全学校歯科医に徹底するように伝えられて実施されている。記載の簡素化で検診時に「CO-S」と表記されている団体、あるいは「CO(要精検)」の印を作られている学校もあった。
 別の6団体では、次年度に向けて会で検討し、現在養護教諭とも協議中であると返答がある。
 2団体でCO(要精検)と判断する必要を認めないと、否定的なご意見をいただき実施していないとのお答があった。
 残る10団体の先生がたは「文」としては認識していたが会としては「実施する」と後押ししていないため「CO」の従来のままの判定で、各校で学校歯科医にまかせて現在まで来ていたとの返答である。

 このような結果から、実施するためには、各校の先生に任せるのではなく、会として実施を周知し、担当教育委員会や養護教諭部会と検診前に打ち合わせておく必要があると思われます。是非とも歯科医師会(学校歯科医会)としての対応を望むものではあります。学術部会が調査する府下のDMF歯数調査についてみても大変数少ないとはいえ未だにCOの判定がない学校があることに驚くのではあります。
 実施に躊躇を示しておられる理由の多くが「現場での混乱」でありましょう。しかし、実際に経験してみると検診時の混乱はなく、むしろ治療勧告書への記載を「どのように記すか」にあると思うが、これは各学校歯科医では地域として統一が図れず無理があると感じる。また、学校サイドでは「要精検」という言葉が出ることに不安を示す学校の先生もおられるそうだ。前述の通り『むし歯』はれっきとした病気でありその認識を持っていただかないと「『要精検』は大そうな表現だ」ということになるわけです。
 こういったことも含めて細部に及ぶ協議が必要だと思われる。
 さて、最後にアンケートで質問がありましたので少し解説しておきます。
 「部位を記載するのは問題がありませんか?」という件では、COあるいはCO(要精検)の「部位の記載」は治療勧告書を指すのではなく、学校検診簿の「学校歯科医所見」欄に記載することになっています。
 「学校歯科医が「むし歯」がありそうだと判断すると「C」と判定するので「要精検」はいらないのでは」という質問ですが、この『「むし歯」がありそうだ』がまさしく「要精検」にあたると思われます。
 「C」は、あくまでも視診で「ウ窩」が確認される場合とあります。
 「会員に周知しないと保護者とのトラブルが増加するのでは」という危惧ですが、その通りだと思います。前述したとおり、今後各団体様に置かれてはこれをきっかけに周知徹底のために議論していただけるとありがたいと思っています。

(広報部会担当常務理事 寺下邦彦)